先日、東京へ行った際、数々のステキなシーンを目の当たりにすることの連続でした。
中でもとりわけ、印象深く鮮明に脳裏に焼きついているステキな1シーンをご紹介したいと思います。
******************
〜それは、東京滞在中のある晩、友人達と銀座でお食事をした後、みんなで滞在ホテルへ向かうタクシーに乗った時のことでした。
乗り込んだタクシーの運転手さんは、それは勢いのいい方でした。
色々なうんちくを語ったり、「これから九州にでも走れる』と、運転への自信あふれるお話等が相次ぎ、楽しませて頂きました。
そしてそんな会話の中、タクシーは、東京都内の街並みを駆け抜けていったのでした。
やがて、、、
「着きました」と、ある場所に到着しました。
ところが、そこは、同じS区内であるものの、見渡す限り、滞在ホテルとは全く違う光景・・・。
そこで、運転手さんに、滞在ホテルとは違う旨伝えたところ、
「・・・最近変わったのかも・・。」等とつぶやきますが、ここ数年定期的に宿泊しているので変わってはいないことを伝え、
「近くに△△がある…」とナビをさせて頂き、再びタクシーは目的地に向け出発しました。
やがて、、結果的にかなり大回りをし、滞在ホテルに到着しました。
行きもタクシーを利用したので、2000円近く多めにかかったことはすぐに分かりました。
支払いの際、さすがに運転手さんは申し訳なく思ったのでしょう・・。
若干、安くして下さる旨、おっしゃいました。
そんななか、同乗者のうちのお一人の南先生が、笑顔でこうおっしゃいました。
「夜のドライブをたくさん楽しめてよかった・・・ありがとうございます。」
そして南先生は、運転手さんに料金とは別のチップを差し上げました。
運転手さんの表情が、気まずそうな雰囲気から一気に驚きに変わり、やがて、何とも素敵な笑顔へと変わっていきました。
私も、ささやかながら運転手さんに感謝の気持ちを差し上げ、私たちは共に笑顔で別れました。
******************
その後、南先生からこんなお話をうかがいました。
〜『・・・あのとき、ただでさえ失敗したと思い、申し訳なく思っている運転手さんに文句を言ったとしたら、少なくともその晩、いやもしかしたらずーっと、運転手さんはものすごく心を痛め苦しんだことでしょう・・。
そして、その心の痛み・苦しみはずっと続きます。
そして、見えない世界では、思いと思いがワープするので、結果的に、相手の心の痛み・苦しみは、自分自身を痛め苦しめていく・・。
同様に、「相手を思いやる」ことは、結果的に「自分を思いやる」ことになる。
あの運転手さんとは、確率的にみて、恐らくもう二度と会う事はないでしょう。
でも、ご縁あって会った相手とは、たとえごく短い時間のご縁であっても、またはその後二度と会わない相手であっても、お互いいい気持ちで過ごし、会った人がプラスで帰る(会った人とプラスの思いで別れる)のがいい・・・』
またさらには、
〜『・・・自分たちが乗り込んだものだから、運転手さんもおかしくなって、迷いだしたのかもしれない。だから、「申し訳ありません」と、お詫びしていいくらい・・・』とも。
自分も幸せ!相手も幸せ!みんな幸せ!…
そんな美しい生き方の極意に満ち、
そして、日頃のお言葉
『「自分は鼻くそ」同然、あるいは「自分は鼻くそ」以下と思って生きるのがいい、そうすると全てに感謝しかない・・』
から生まれる、最高に美しい生き方の極意に満ちた1シーンだと感じました☆
そして、、、
《一期一会》という言葉が浮かびました。
〜あなたとこうして会っているこの時間は、二度とはめぐってこない一度きりのもの。
だからこそ、この一瞬一瞬を大切にし、今でき得る最高のおもてなしを・・。〜
人間、どうかすると、すぐさま傲慢の芽が頭をもたげてきて、
そのことは一番本人が気づきにくいもの・・。
どんな時も『自分は鼻くそ』、
そして、美しい生き方を紡ぐ源である、美しい心…へと、限りなく研ぎ澄ませていきたいと思ったのでした。
【アルマーニ リストランテ銀座 にて】